HAMLET寅の木乃伊日記

木乃伊のお尻には、無数の赤ちゃんの夢がつまっている


アルチュール・ランボー   「母音」

Aは黒、Eは白、Ⅰは赤、Uは緑、Oは青、母音たちよ、

おれはいつかおまえたちの潜成の誕生を語ろう、

A、無残な悪臭のまわりを唸り飛ぶ、

きらめき光る蠅どもの毛むくじゃらのコルセット。



かげった入江。E、霞と天幕の白々とした無垢、

誇らかな氷河の槍、白い王たち、繖形花のおののき。

I、緋の衣、吐かれた血、怒りに狂った、

あるいは改悛の思いに酔った美しい唇の笑い。



U、循環期、緑の海の神々しいうゆらぎ、

家畜の散らばる放牧場の平和、

学究の広い額に錬金の術が刻む小皺の平和。


O、甲高い奇怪な響きに満ちた至高の喇叭、

諸世界と天使たちがよぎる沈黙

・・・・・おおオメガ、あの人の眼の紫の光線!



      (粟津 則夫 訳)






      (水戸芸術館  「ゲルダ・シュナイダー&ヨルク・レンツリンガー」展より)








なお、この展覧会の展示作品をカメラで撮影し、ブログに掲載することは、二人の作家およびこの展覧会を企画

した、水戸芸術館現代美術センターによって許可されている。


 ただし、展覧会場のこの作品のある一瞬を撮影した写真が、アルチュール・ランボーの詩と並んで、インターネ

ット上に存在するということを、どう捉えるかは多くの議論が可能かもしれない。


 くだらないと思う人、これも一種の芸術的な行為と見なせると考える人もいるだろう。


私はたまたま近くにあったランボーの詩集から、この作品にマッチしそうな詩を選んだのだが、この二つの作品の

出会いは美しいものだと感じるし、それぞれの作品が単独で本の紙面上と水戸芸術館のギャラリーに存在していた

のとは、美的なレベルにおいて、何らかの意味を付加したものと感じる。


このことは作家のシュタイナー氏とレンツリンガー氏、および、この展覧会を企画したキュレーターに聞いてみた

いものだ。このような補足説明を書くこと自体が、二つの作品が並んでいる美的なバランスを壊しているとすら、

私には感じられる。

ルネ・シャール  「笊屋の恋人」

 ぼくはお前を愛した。

 ぼくは愛した、嵐のつくった落窪の、泉のようなお前の接吻の顔を。

 ぼくは接吻を暖めておいてくれるお前の領有地の数字を。

 ある人びとは、ふくらみきった空想にふける。

 が、ぼくはそれだけで充分だ。

 恋人よ、ぼくは絶望から、ちっぽけな笊をもち帰ったのだ、

 柳で編めるほどのものを。


      ( 窪田般彌  訳 )





     (水戸芸術館  「ゲルダ・シュナイダー&ヨルク・レツリンガー展」より)

今日の名言28

 
「恋は愛するものの隠れた高貴な性質を・・・・希な例外的な部分を、明るみに引き出す。この限りにおいて、

 彼の常態を偽り示す」      


      (ニーチェ  「善悪の彼岸より)



水色



 ニーチェのように言い切りたいものだ。

 
 何度無数の裏切りがあったことだろう!


 隠された高貴なものをドブに投げ捨てるような・・・・・・

今日の名言27

「危険がみなぎる家は、安全すれすれの場所に立っている」

     
      (アラビアのことわざ)


から



    
   生命の家になるのか、赤い棺になるのか?



砂嵐の雹に打たれたながら、ピンクのオフィーリアがやってきて、呟いた。


「きみのいる刑務所とわがアパートを地中でつなぐ古きガス管」     (寺山修司)




唐十郎の芝居は、十数回は観てると思うが、今回の作品は今までで最も手を抜いていると感じた。

いつものように何だか良くわからなかったが・・・・・・



唐十郎は、水戸芸術館と喧嘩別れをした、鈴木忠志のところでも新作を書いたあたりから、信用できなくなってき

た。頭部伊勢崎線の鐘ヶ淵駅に長塚節が立っているらしいですよ。


私は唐組の役者は、礼儀正しい人たちだと思っています。NHKとは反対ですね。

今日の名言26

 
 「遠き慮りなければ、必ず近き憂いあり」


 遠い先のことまで対策を立ててかからないと、必ず足元から崩れていく。


     (論語 「衛霊公篇」より)



孔子2

今日の名言25

 
「速やかなるを欲するなかれ。小利を見るなかれ」


 あせってはならない。目先の利益に惑わされてはいけない。


          (論語 「子路篇」より)




孔子

今日の名言24


「他人の虚栄心がわれらの趣味を傷つけるのは、それがわれらの虚栄心を傷つける場合に限る」


「嘘をつきながらも無邪気でいる。それがある一つの事への良き信念の兆候である・・・・・

 このような場合もある」


            (ニーチェ  「善悪の彼岸」より)





今日の名言23

 

表にはさながら悪意のごとく振舞う、気高い慈愛もある。

 
    (ニーチェ  「善悪の彼岸」より)







 お持ち帰りは簡単にはできない・・・・

妖精

 きよらかな木陰の装飾的な樹液と、星空の沈黙の中のひややかな形と光とが、エレーヌのために共謀した。

夏の日の灼熱は黙りこくった鳥たちに委ねられた。無為は死に絶えた愛欲や薄れた香が漂う入り江を行方も

知れぬ喪の小舟に求めた。


 木々が崩れ倒した下をざわめき走る早瀬のなかで木こりの女たちが歌うたう時もすぎ、家畜を呼ぶ角笛の

ひびきが谷多たににこだまし鳴りわたるときも過ぎ、草原に人声がさんざめくときもすぎ。・・・・・・



  エレーナの若い日々のために、やぶも木陰もおののいた・・・・・貧しい人々の胸も、天空の伝説も。

   
  貴重な輝きよりも、冷ややかな星の感応よりも、かけがえのない道具立てや時が作る喜びよりも、


  さらにすぐれた彼女の眼、彼女の踊り。



      (アルチュール・ランボー    「イリュミナシオン」より)






少年と少女の痕跡とともに

春の日の白い残像が

遠くの林のほうからやってくる

苦しみに追いかけられて

カッコウが鳴いている山の中腹まで走る

ペダルの一漕ぎ一漕ぎが

苦しみの空間をしだいに桜色に染めていく


今日、この日・・・・・

散らばった断片をそっと集める





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